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2025年は、映画館でアニメ映画を観たという人がとても多い一年でした。話題作が次々に公開され、ニュースでも「興行収入〇億円突破」という見出しを何度も見かけたのではないでしょうか。では、一年を通してどの作品がどれくらいの数字を残したのかを、まとめて知りたい人もいるはずです。
ここでは、一般社団法人日本映画製作者連盟(映連)が2026年1月に発表した「2025年(令和7年) 全国映画概況」と、前年の同じ資料、作品の公式サイトのお知らせから、2025年のアニメ映画の興行収入を順番に見ていきます。数字は各資料に出ている値をそのまま使っています。2026年10月時点の情報です。
2025年の映画館全体はどれくらいの規模だった?
アニメ映画の数字を見る前に、まずは映画館全体の大きさを押さえておきましょう。全体の伸びを知っておくと、個々の作品の数字がどれほどのものなのかがつかみやすくなります。
興行収入は2,744億円で前年の132.6%
映連の「最新映連発表資料」のページでは、映連が毎年1月に前年の映画産業に関するデータを発表していると説明されています。2025年分は2026年1月に出た「2025年(令和7年) 全国映画概況」というPDFにまとめられています。
この資料によると、2025年の全国の興行収入は274,452百万円でした。百万円単位の表なので、億円に直すと2,744億5,200万円になります。2024年は206,983百万円で、前年比は132.6%です。一年で3割以上も伸びたことになり、映画館にとって大きな一年だったことが数字からも伝わってきます。
映画館に足を運んだ人の数を示す入場人員は188,756千人で、前年の144,441千人から130.7%に増えました。千人単位の表記なので、およそ1億8,875万人という規模です。興行収入と入場人員がほぼ同じ割合で伸びているのは、それだけ多くの人が実際に劇場へ出かけたということでしょう。
内訳を見ると、邦画の興行収入は207,569百万円で全体の75.6%、前年比は133.2%でした。洋画は66,883百万円で24.4%、前年比は130.7%です。前年の構成比は邦画75.3%、洋画24.7%なので、邦画と洋画の割合はほとんど変わっていません。邦画も洋画もそろって伸びた一年だったわけです。
このあと見ていくアニメ映画は、ほとんどが邦画の欄に入っています。邦画全体の興行収入が2,075億円を超えたという大きな数字の中で、アニメ作品がどれほどの割合を占めていたのかを、作品ごとの一覧から見ていくことになります。全体の数字は、個々の作品の数字を読むときの物差しになるのです。
なお、この「全国映画概況」は年に一度の発表で、2025年の数字が確定値としてまとまるのは翌年1月という流れです。公開中の作品のニュースで目にする数字は途中経過のことが多いため、一年分を比べるときは、こうした年間の資料を使うと数字のずれが起きにくくなります。
平均入場料金は1,454円で公開本数は1,305本
同じ資料には、平均入場料金や公開本数も載っています。2025年の平均入場料金は1,454円で、前年の1,433円から101.5%でした。料金はわずかに上がっていますが、興行収入の伸びに比べるとかなり小さい変化です。興行収入が大きく増えたのは、料金よりも観客の数が増えたことが大きかったと読み取れるでしょう。
公開本数は1,305本で、前年の1,190本から増えています。内訳は邦画694本、洋画611本で、前年は邦画685本、洋画505本でした。洋画の本数が大きく増えている一方で、興行収入の構成比は邦画が4分の3を占めたままです。本数が多いことと、たくさんの人に観られることは、必ずしも同じではないという見方ができます。
映画館のスクリーン数は3,697スクリーンで、前年の3,675スクリーンとほぼ同じでした。スクリーンの数がほとんど変わらない中で入場人員が3割増えたということは、一つひとつの劇場がそれだけにぎわったということです。人気作の公開時期に座席が取りにくかったと感じた人がいたとしても、不思議ではないわけです。
資料の欄外には「ODS関連」という参考の数字もあります。2025年のODS関連の興行収入は合計27,433百万円で、前年比111%でした。内訳は邦画13,192百万円、洋画3,892百万円、中継10,349百万円です。公開本数は合計489本で、そのうち中継が273本を占めています。
ここで気をつけたいのは、資料に「ODSのうち『中継』は全国映画概況・興行収入・公開本数に含みません」と注記がある点です。ライブやイベントを劇場で中継する上映は、先ほどの2,744億円には入っていません。アニメ関連のライブ中継を劇場で観た人も多いかもしれませんが、その分は別枠で数えられているという理解でよいでしょう。
数字の単位も、読むときのつまずきやすいところです。全体の表は百万円や千人の単位、作品ごとの表は億円の単位で書かれています。ニュースや感想で数字を引用するときは、どの表の、どの単位の数字なのかをそろえておくと、間違いを防ぎやすくなります。
2025年に興行収入10億円を超えたアニメ映画は?
映連の資料には、興行収入が10億円以上になった作品の一覧が邦画と洋画に分けて載っています。邦画は38本で、そのうちアニメ作品を拾っていくと、上位から下位まで幅広く並んでいることがわかります。
100億円を超えたのは3本のアニメ映画
2025年(令和7年) 全国映画概況の「興行収入10億円以上番組」は、2026年1月末時点の数字です。邦画の1位は、7月公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』で、興行収入は391.4億円でした。配給は東宝とアニプレックスです。2位以下を大きく引き離した、文字どおり突出した数字といえるでしょう。
2位は6月公開の実写映画『国宝』で195.5億円、3位が4月公開の『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』で147.4億円です。4位には9月公開の『劇場版『チェンソーマン レゼ篇』』が104.3億円で入りました。コナンとチェンソーマンはどちらも東宝の配給です。
つまり、2025年に100億円を超えた邦画は4本あり、そのうち3本がアニメ映画だったということになります。100億円という数字は、一本の映画にとって大きな目標とされることが多い数字です。それを一年に3本ものアニメ映画が超えたのは、アニメ映画の勢いを象徴する出来事だったといえます。
上位10本まで広げると、8位に3月公開の『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』が46.1億円で入っています。10位は1月公開の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』で36.2億円、配給は東宝とバンダイナムコフィルムワークスです。上位10本のうち5本がアニメ作品で、半分を占めています。
このうちGQuuuuuuXは1月の公開で、年の初めから大きな数字を残した作品です。一方で鬼滅は7月、チェンソーマンは9月と、夏から秋にかけて公開された作品が上位に並びました。公開の時期がばらけていたことで、一年を通して映画館に人が集まり続けたという見方もできるでしょう。
Xでは「そもそも興行収入は10億超えたら大ヒット」としたうえで、10億円以上の邦画38本のうち実写が23本だと指摘する投稿もありました。アニメ映画ばかりが目立つ年に見えても、実写映画も多く10億円を超えているという受け止め方です。アニメ映画の数字を見るときも、邦画全体の中での位置を一緒に見ておくと、印象だけに引っ張られにくくなるのです。
10億円台から30億円台のアニメ作品
100億円には届かなくても、10億円以上の一覧には多くのアニメ作品が入っています。11位の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』は33.5億円で、配給は松竹です。公開月の欄には「24/12月」とあり、2024年12月に公開された作品が2025年の一覧に入っています。
15位は2月公開の『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』で26.4億円、配給はTOHO NEXTです。この作品には「★」の印が付いていて、2026年1月末の時点でまだ上映中だったことを示しています。18位は8月公開の『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』で23.6億円でした。
21位には11月公開の『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』が20.9億円で入っています。こちらも★印付きで、年をまたいで上映が続いていた作品です。23位は5月公開の『劇場版うたの☆プリンスさまっ♪TABOO NIGHT ××××』で19.8億円、配給は松竹でした。
30位は1月公開の『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』で15.0億円です。32位には10月公開の『『もののけ姫』4Kデジタルリマスター』が12.8億円で入りました。新作ではなく、過去の作品を高画質にして再上映したものが10億円を超えたことになります。資料の欄外には「『もののけ姫』累計興収214.6億円」という注記もあります。
33位は9月公開の『映画キミとアイドルプリキュア♪お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!』で12.0億円、配給は東映です。34位は6月公開の『KING OF PRISM -Your Endless Call- みーんなきらめけ!プリズム☆ツアーズ』で11.8億円、配給はエイベックス・フィルムレーベルズでした。
こうして並べると、アニメ作品は上位の3本だけでなく、20億円前後や10億円台にも厚く並んでいるのがわかります。子ども向けの定番シリーズ、ゲームや音楽から生まれた作品、テレビシリーズの劇場版、往年の名作の再上映と、作品の種類もさまざまです。
Xには「良い作品なのに興収が伸び悩むアニメ映画が出てきて、それを嘆く声が挙がる」と書いた投稿もあります。一覧に入るのは10億円以上の作品だけなので、ここに名前がないからといって、作品の出来が劣るわけではありません。数字は作品の一面にすぎないという流れです。
鬼滅の刃 無限城編の数字はどうだった?
2025年のアニメ映画を語るうえで外せないのが、1位の鬼滅の刃 無限城編です。公式サイトが出した公開直後の数字と、映連の年間資料、終映のお知らせを順に見ていきましょう。
公開3日間で55億円を超えたスタート
テレビアニメ「鬼滅の刃」公式サイトのお知らせによると、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は2025年7月18日(金)に公開されました。公開3日間の観客動員は384万3,613人、興行収入は55億2,429万8,500円でした。
月曜日の祝日を含めた4日間では、観客動員が516万4,348人、興行収入が73億1,584万6,800円です。公開からわずか4日で、多くのヒット作の一年分に近い数字に届いたことになります。お知らせには、映画館に来た一人ひとりへのお礼の言葉もつづられていました。
お知らせには、日ごとの数字も載っています。7月18日(金)は115万5,637人で16億4,605万4,200円、19日(土)は126万6,172人で18億4,042万4,100円でした。20日(日)は142万1,804人で20億3,782万200円と、この日だけで20億円を超えています。
祝日の21日(月)も132万735人で17億9,154万8,300円でした。平日の初日から100万人を超える人が劇場に足を運び、週末に向けてさらに増えていった様子が、日ごとの数字から見て取れるはずです。公開初日を心待ちにしていたファンの多さが、そのまま数字に表れた形でしょう。
ここで、興行収入と観客動員の違いも押さえておきましょう。観客動員は映画を観た人の延べ人数、興行収入はチケットの売上の合計です。同じ人が2回観れば動員は2人と数えられます。また、料金は劇場や上映形式、年齢区分などで変わるため、動員と興行収入は必ずしも同じ割合で動くわけではありません。
公開直後の数字は、作品の勢いを知る目安として注目されます。ただし、その後どこまで伸びるかは上映期間の長さにも左右されます。鬼滅の刃 無限城編は、このスタートから半年以上にわたって上映が続くことになりました。最初の数日の数字だけで作品全体を判断しないことが大切なのです。
391.4億円に付いた★印と終映の時期
映連の「興行収入10億円以上番組」で、鬼滅の刃 無限城編の391.4億円には★印が付いています。表の下には「★印 現在上映中」とあり、資料の時点は2026年1月末です。つまり391.4億円は、2026年1月末の時点でまだ上映が続いていたときの数字ということになります。
その後の上映について、ANIPLEX NEWS BOXの「終映御礼」は、2025年7月18日から上映してきた本作が、一部劇場を除いて2026年4月9日をもって終映を迎えたと伝えています。4月10日以降も一部の劇場で上映が続くとも書かれていました。終映時点の数字は、映画.comの記事がアニプレックス調べとして伝えています。公開266日間の国内の観客動員は2,745万5,968人、興行収入は402億1万9,000円で、映連の資料にある391.4億円より10億円ほど多い額でした。お知らせには、劇場に足を運んだ観客と、上映を支えた劇場関係者へのお礼の言葉もつづられています。
7月の公開から翌年4月まで、およそ9か月近く上映が続いたことになります。夏休みに観た人が、年末年始や春休みにもう一度観に行けるほどの長さです。長く上映されたことが、年間1位という数字を支えた大きな理由の一つといえるでしょう。
★印の付いた作品は、映連の資料の数字より最終的な興行収入が大きくなることがあります。資料の数字は「その時点までの集計」なので、ニュースなどで年間資料と違う数字を見かけたときは、どの時点の集計なのかを見比べるのがコツです。数字が食い違っているように見えても、集計した時期が違うだけという場合も多いのです。
同じ2025年の一覧では、ほかにもヒプノシスマイク、呪術廻戦、チェンソーマン レゼ篇などに★印が付いています。秋以降に公開された作品や、長く上映が続いた作品は、年間資料の数字がその作品の最終的な数字とは限らないと覚えておくと安心でしょう。
鬼滅の刃の劇場作品は、前の年にも10億円以上の一覧に入っています。2024年の資料では、2月公開の『「鬼滅の刃」 絆の奇跡、そして柱稽古へ』が23.1億円で13位でした。テレビシリーズにつながる上映でも20億円を超えていたことを思うと、劇場版の新作となった無限城編がどれほど待たれていたかがよく伝わってきます。
前年の2024年と比べるとどう変わった?
映連は前年分にも同じ形式の一覧を出しています。2024年の資料と並べると、毎年公開される定番シリーズの数字の動きや、上位作品の顔ぶれの違いが見えてきます。
毎年公開される定番シリーズの数字
映連の「2024年(令和6年)興行収入10億円以上番組」は、2025年1月末時点の数字です。2024年の邦画1位は、4月公開の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』で158.0億円でした。2025年の『隻眼の残像』は147.4億円なので、どちらの年も100億円を大きく超えています。
コナンの劇場版は、2024年も2025年も4月の公開です。毎年同じ時期に新作が公開され、そのたびに100億円を超える数字を残しているのは、長く続くシリーズならではの強さでしょう。2025年は鬼滅とチェンソーマンが加わったことで、コナンは邦画の3位となりました。
ドラえもんは、2024年の『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』が3月公開で43.1億円でした。2025年の『のび太の絵世界物語』も3月公開で46.1億円です。春休みの時期に公開され、毎年40億円台の数字を残しているのがわかります。家族で観に行く映画として、春の定番になっているのです。
クレヨンしんちゃんは、2024年の『オラたちの恐竜日記』が8月公開で26.9億円、2025年の『超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』も8月公開で23.6億円でした。プリキュアは、2024年の『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ・ゲームの世界で大冒険!』が9月公開で12.4億円です。2025年は12.0億円でした。
こうして見ると、定番シリーズは公開の時期がほぼ決まっていて、数字も毎年近い水準にあります。年によって多少の上下はあっても、10億円以上の一覧に毎年名前が並んでいるわけです。2025年の大きな伸びは、こうした定番の上に新しい大ヒット作が重なったことで生まれたといえるでしょう。
アニメ映画の公開予定を立てるときも、この公開月の傾向は参考になります。春休みにはドラえもん、ゴールデンウィークの前にはコナン、夏休みにはクレヨンしんちゃん、秋にはプリキュアという並びは、どちらの年の資料にも共通していました。毎年の楽しみとして予定に入れている家庭も多いはずです。
10億円以上作品の合計と上位作品の違い
2024年の資料には、邦画の10億円以上作品の興行収入の合計が1050.1億と書かれています。2025年の資料では、同じ合計が1,672.2億でした。10億円を超える大きなヒットの合計が、一年で大きく増えたことがわかります。一覧に並ぶ作品の数も、2024年の31本から2025年は38本に増えました。2025年の映画館全体の伸びを支えたのは、こうした大きなヒット作だったといえます。
2024年の一覧で、アニメ作品の上位を見てみましょう。コナンに続く2位は、2月公開の『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』で116.4億円でした。4位は2023年12月公開の『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』で63.2億円、6位は1月公開の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』で53.8億円です。
さらに10位に『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』の36.0億円、13位に『「鬼滅の刃」 絆の奇跡、そして柱稽古へ』の23.1億円、14位に『ルックバック』の20.4億円が並びます。17位は『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』の18.1億円、22位は『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』の14.5億円でした。
2024年に100億円を超えた邦画は、コナンとハイキューの2本で、どちらもアニメ映画です。2025年はアニメ映画だけで3本が100億円を超え、1位の鬼滅は300億円台に届きました。上位の作品の数字が大きく伸びたことが、2025年の特徴だったといえるでしょう。
2024年の資料の欄外には、『THE FIRST SLAM DUNK』の164.6億円や『君たちはどう生きるか』の94.0億円など、前の年までに公開された作品の数字も注記されています。年をまたいで上映された作品をどう載せるかは、資料ごとの書き方を見ておくと迷いません。
ガンダムの劇場作品も、2024年の『SEED FREEDOM』が1月公開で53.8億円、2025年の『GQuuuuuuX -Beginning-』が1月公開で36.2億円と、2年続けて1月公開作が10億円以上の一覧に入りました。年明けの映画館を盛り上げるシリーズとして、存在感を示していることがわかります。
興行収入の数字はどう読めばいい?
興行収入のランキングは、ニュースで見るときと年間の資料で見るときで、数字が違って見えることがあります。最後に、数字を読むときに迷いやすいところと、映画館以外の数字を見ていきましょう。
公開月の欄と★印、集計時点の読み方
映連の一覧で、まず見ておきたいのが公開月の欄です。この欄は数字だけで書かれていて、「7」とあれば7月の公開という意味になります。2025年の一覧では、『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』の公開月が「24/12月」と書かれていました。前年の12月に公開された作品でも、2025年の一覧に入ることがあるということです。
同じように、2024年の一覧では『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』の公開月が「23/12月」となっています。年末に公開された作品は、年をまたいで翌年の一覧に入ることがあるわけです。「2025年のアニメ映画」と言っても、公開日と集計される年が一致しない作品がある点は覚えておきましょう。
次に★印です。2025年の一覧では「★印 現在上映中」、2024年の一覧では「*印 現在上映中」と書かれています。印のある作品は、資料の時点ではまだ上映が続いていて、数字がこれから伸びる可能性がありました。資料の時点は、2025年分が2026年1月末、2024年分が2025年1月末です。
金額の単位にも気をつけたいところです。作品ごとの一覧は「興収(単位:億円)」で、小数点以下1けたまでの表記でした。一方で、作品の公式サイトのお知らせは円単位まで細かく書かれていることがあります。どちらも正しい数字ですが、集計した日と単位が違うと、見た目の印象がかなり変わってくるのです。
アニメ映画の感想を書くときや、友だちと作品の話をするときに興行収入を持ち出すなら、「映連の2025年の資料では391.4億円」のように、出どころと時点を一言添えておきましょう。数字の意味がはっきりして、読む人にも誤解なく伝わるという流れです。
映画館で観るときの楽しみ方としては、アニメ映画の入場者特典の基本ルールや、4DXとMX4Dの違いも参考にしてください。数字の大きな話題作を観に行く前に、特典の配り方や上映形式の違いを知っておくと、当日に迷わずに済むはずです。
輸出やソフト販売など映画館以外の数字
映連の2025年(令和7年) 全国映画概況には、映画館以外の数字も載っています。2025年の映画輸出実績は490,361千ドルで、前年比91%でした。2024年は540,306千ドルで、資料に並ぶ2014年以降の数字の中で最も大きい額です。
この輸出実績は、映連の加盟社とそのグループ会社が、海外配給権や海外放送権、キャラクター商品化権などを使って得た収入を集計したものと説明されています。集計の対象は松竹、東宝、東映、東映アニメーション、KADOKAWAです。海外でのアニメ人気を考えるときの、一つの手がかりになる数字でしょう。
家で映画を楽しむ側の数字もあります。劇映画のビデオソフトによる販売額の推定は、2025年のメーカー売上が316億円で、前年比68.4%でした。内訳はセルが270億円、レンタルが45億円です。資料では、日本映像ソフト協会の統計調査報告書から推定したものと説明されています。
参考として載っている映像ソフト市場の推計では、2024年のビデオソフトの市場売上が1,777億円、有料動画配信が6,499億円でした。合計は8,276億円です。2019年はビデオソフトが3,235億円、有料動画配信が2,404億円だったので、配信がソフトを大きく上回るようになったことがわかります。
劇場で観たアニメ映画を、あとから配信で観るという楽しみ方もあります。Xでは、配信でチェンソーマン レゼ篇を観て、興収100億円超に「すごいなあ」と驚く声がありました。一方で、興収100億円という数字が「作品の価値をはかるモノサシとしては、あやしくなってきました」と書いた投稿も見られます。
興行収入は、作品の人気を知る一つの数字ではあっても、作品のすべてを表すものではありません。映画館の数字、海外での数字、家で観る数字を並べてみると、アニメ映画の楽しまれ方が広がっていることがよくわかるでしょう。気になる作品は、数字だけでなく自分の目で観て確かめたいものです。
まとめ:2025年のアニメ映画の興行収入で押さえたい5つの要点
2025年は、映画館全体が大きく伸び、その中でアニメ映画が上位を占めた一年でした。最後に、押さえておきたい要点を5つにまとめます。
- 2025年の全国の興行収入は2,744億5,200万円で前年比132.6%、邦画が75.6%を占めた
- 邦画の10億円以上の一覧では、鬼滅の刃 無限城編391.4億円、コナン147.4億円、チェンソーマン レゼ篇104.3億円の3本のアニメ映画が100億円を超えた
- 鬼滅の刃 無限城編は公開3日間で55億円を超え、一部劇場を除き2026年4月9日に終映を迎えた
- コナン、ドラえもん、クレヨンしんちゃん、プリキュアは2024年も2025年も同じ時期に公開され、10億円以上の一覧に入った
- 年間の資料は集計時点と★印、公開月の欄を見て、ニュースの数字と見比べる
映連は毎年1月に前年のデータを発表しています。気になる作品の数字を追いかけながら、映画館でのアニメ鑑賞をこれからも楽しんでいきましょう。